自律神経を整える5つのコツ|河口内科眼科クリニック|江東区清澄白河駅の内科・眼科・内視鏡検査

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自律神経を整える5つのコツ|河口内科眼科クリニック|江東区清澄白河駅の内科・眼科・内視鏡検査

自律神経を整える5つのコツ

自律神経が乱れると体や心に様々な不調が生まれます。どうにかして自律神経をコントロールしたいところですが、残念ながら私たちは自律神経そのものを意識的に動かすことができません。

 

でも大丈夫。

ちょっとした工夫で自律神経のバランスを整えることができるんです。

 

今回はストレス社会に生きる私たちが上手に自律神経を整えるための5つのコツについてお教えしますので、ぜひ参考にして、心地よい毎日を過ごしてくださいね。

 

自律神経を整える5つのコツ 

1.睡眠時間を確保する 

現代人は起きている時間が長い上に様々なストレスにさらされているため、戦う神経である交感神経が興奮している時間が長く、休息回復モードである副交感神経が働く時間が足りません。交感神経を休めて副交感神経を働かせるためには、夜間の睡眠は非常に大切です。

ところが日本人は世界一睡眠不足の人種だと言われています。

経済協力開発機構(OECD)の統計OECD, Gender Data Portal 2021によれば、日本人(1564歳)の平均睡眠時間は7時間22分で、これは世界33カ国中最下位の数値です。さらに日本の女性は男性よりも13.4分短いので、世界で最も睡眠不足なのが日本人女性だといえます。また国内の調査厚生労働省, 国民健康・栄養調査では、日本人のうち1日平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性が37.5%、女性が40.6%と高く、年代別では20〜30歳代の40.0%、40〜50歳代の49.5%、60歳代以上の32.5%が睡眠6時間未満という結果でした。

 

では本来1日どのくらい睡眠をとるのがいいのでしょうか。

適切な睡眠時間は個人差があり年齢によっても変わってきますが、体にとって必要な夜間の睡眠時間(寝床に入っている時間ではなく実際に脳が眠っている時間)は、10歳までは8〜9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間であるということが睡眠の研究から明らかになっています。ですので、成人では一般的に6〜8時間が適正な睡眠時間と考えてよいでしょう。

Ohayon MM,et al. Meta-analysis of quantitative sleep parameters from childhood to old age in healthy individuals: Developing normative sleep values across the human lifespan. Sleep 27: 1255-1273, 2004.

 

「忙しくて寝る時間がない」という方もたくさんいらっしゃるかと思います。ですが、睡眠時間が足りない状況は、思考力や記憶力の低下など翌日のパフォーマンスを大きく低下させるだけでなく、交感神経系の慢性的な刺激により血圧や血糖値の上昇など生活習慣病を悪化させますし、副交感神経系の抑制により消化管機能が低下し胃もたれや腹痛、便秘や下痢などを引き起こし日常生活の質を低下させます。しかも睡眠不足は借金のように連日蓄積します(これを「睡眠負債」と言います)。ですので、もしあなたが体調を改善させ仕事や勉強のパフォーマンスを上げたいのであれば、1日のやることリストの中で睡眠の優先順位を高くし、積極的に睡眠時間を確保するようにしてみてください。

2.夜リラックスする

休息回復モードである副交感神経の活動を高め、戦闘モードの交感神経の活動を鎮めるためには、ストレスから離れて心身ともにリラックスする必要があります。特に夜リラックスすることはとても重要で、早く眠りに入るための準備としても、質の高い睡眠を得るためにも大切なことです。

まずはリラックスできる環境を整えましょう。部屋を適温に保ち、照明を電球や間接照明、キャンドルライトなど暖色系の薄暗い明るさにするのは効果的です。深呼吸をし、ゆったりとした気分でストレッチやマッサージをしたり、ゆっくり湯船に浸かったり、アロマなど心地よい香りを楽しんだり、落ち着いたテンポの音楽を聴いたりするのもいいでしょう。

寝る前のスマホやパソコンは睡眠にとって良くありません。寝る前に明るい光が目に入ると、脳は朝だと錯覚して覚醒してしまいます。光刺激によって脳が興奮するとともに、メラトニンという睡眠覚醒を調節する脳内ホルモンの分泌を低下させ体内時計を狂わせてしまいます。特にパソコンやタブレットなど電子機器画面からの強い光はメラトニンの分泌を抑制し脳を覚醒状態にしてしまいますので注意が必要です。SNSや動画など内容によっては脳が興奮したり気分が不安定になったりする場合もありますので、寝る前のスマホやパソコンは避けたいところです。

寝る前にお茶やコーヒーなどのカフェインを摂取すると脳を興奮させ睡眠を妨げますのでやめましょう。寝る前のアルコール(寝酒)は眠気を誘う効果があるものの睡眠の質を大きく低下させ翌朝の目覚めを悪くしますので、アルコールの摂取は夕食時までにしましょう。

3.朝日を浴びる

1日の睡眠時間が同じでも、寝る時刻がバラバラだと自律神経のバランスは崩れやすくなります。例えば夜勤業務など睡眠時間帯が頻繁に変わる職業の場合、毎日の生活リズムが不規則になることで睡眠障害や自律神経疾患、さらにはホルモンバランス失調やうつ病などになりやすいことが知られています。

ヒトの脳内には、サーカディアンリズム(概日リズム)といって約24時間周期のリズムを刻む体内時計が備わっていて、自律神経やホルモン分泌などの日内変動を調節しています。このサーカディアンリズムがあるおかげで、自律神経は日中の活動と夜間の睡眠のための全身の機能(体温・血圧脈拍・消化排泄・睡眠覚醒など)を予測して「朝が来るから体温と血圧を上げておこう」「夜が来るから体温と血圧を下げて胃腸を働かせよう」など昼夜の時間帯に応じた変化をおこすことができるのです。したがって自律神経の1日のリズムを正しく保つためには、この体内時計が狂わないことが大切になります。

体内時計を24時間周期にリセットする方法、それは朝日を浴びることです。朝、太陽光を浴びると目から入った光情報が脳の視床下部にある視交叉上核を刺激し、体内時計がリセットされます。ですので、朝起きたらまず窓のカーテンを開け、朝の陽射しを浴びましょう。逆に、夜間に強い光を浴びると体内時計が狂ってしまいますので、夜になったら昼白色の明るい照明や電子機器の明るい画面を見るのは避けましょう。

 

4.朝ごはんを食べる

 みなさん、ちゃんと1日3食たべていますか?朝はどうしても忙しかったり、遅くまで寝ていたかったりして朝食を抜いてしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし朝ごはんは自律神経のリズムを整えるのにとても大事なイベントなのです。

ご飯を食べた後にすぐお腹がゴロゴロ動き出してトイレに行きたくなる、誰もが経験したことがあるかと思います。これは、食べたものがすぐに便として出ていってしまっているのではなく、それ以前に食べたものの食べカスが便として押し出されているのです。つまり、空っぽの胃の中に食べ物がストンと入ると、胃の自律神経が反応して大腸に「新しい食べ物が来たから古い便を押し出せ!」と指令を出し大腸の蠕動運動を引き起こすのです。これを「胃結腸反射」と言います。胃結腸反射は胃が空っぽの状態で食べた時に強く働くことから、1日の中で一番空腹時間の長かった朝食が最も強く胃結腸反射が起こります。夜は休息・消化モードの副交感神経系が最も働く時間帯、と前回のブログでご説明しましたが、夜間の副交感神経系の仕事の集大成として、朝食の刺激による胃結腸反射により前日食べた残りカスや老廃物である便を一気に押し出して腸の中をスッキリお掃除するのです。

朝日を浴びることが朝の活動(交感神経)の始まりを告げるスイッチだとすれば、朝食を食べることは夜の活動(副交感神経)の終わりを告げるためのスイッチといってもいいかもしれませんね。特に便秘症の方は朝ごはんをしっかり食べましょう。また、朝起きた時に胃の中がからっぽになっていないと朝食刺激の効果が薄れてしまいますので、深夜に何か食べるのは控えましょう。朝に胃がもたれていたり食欲がない方はすでに自律神経系や消化器系の疾患を抱えている可能性がありますので、一度医師にご相談ください。

 

5.日中に体を動かす

 交感神経と副交感神経はオン・オフのバランスが大事です。仕事や対人関係など様々な精神的ストレスで交感神経がたかぶった状態が続くことは良くありません。一方で現代人は体を動かす頻度が極端に減っています。日中に体を動かすことは自律神経を整えるのにとても重要です。運動によって適度に交感神経が刺激されると、全身の血行が良くなり、肺への酸素の取り込みが増え、余計な糖分や脂肪分が燃焼され、全身の代謝が活性化されます。運動することで爽快感を味わうと心もリフレッシュするでしょう。また運動による適度な疲労感は夜間の副交感神経による休息回復モードを促します。

年齢や性別によって適切な運動量はかわってきますが、少しからだが火照って軽く汗ばむ程度でいいと思います。みんなで楽しくスポーツをすると心身ともにリフレッシュされてさらに良いでしょう。頭や目が疲れているひとは公園や森林など緑の多く空気がきれいなところを散歩するのもいいかもしれませんね。忙しくて運動する時間がない方は、通勤時やトイレ休憩時などのすきま時間に運動を組み入れてみてはいかがでしょうか。たとえば電車通勤の方は一駅手前で降りてみたり、階段を使ってみたり、遠回りして歩いてみたり。その際に手足を普段より大きく動かして歩いてみると、股関節や肩関節の大きな筋肉が活性化されてより効果的です。休憩時間に肩甲骨のストレッチをしたり脚の屈伸運動をするのもいいでしょう。運動後は大きく深呼吸をしてリラックスし、交感神経のスイッチをオフにしましょう。

 

いかがでしょうか。今回、自律神経の乱れからくる体調の不良と、自律神経を整える5つのコツについてお伝えしました。自律神経系は複雑で繊細で、なかなか一朝一夕に不調が改善するのは難しいところではありますが、ぜひ長い目であきらめずに改善に取り組んでみてくださいね。

 

→「自律神経の乱れる原因と症状」についての記事はこちら

 

記事監修:河口内科眼科クリニック院長/消化器病専門医 河口貴昭 →医師紹介

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