目でお子さんの成績が上がる?
目の影響でお子さんの成績が上がったり下がったりする可能性があることをご存知でしょうか。
例えば目がよく見えていない場合や斜視がある場合、またスムーズな眼球運動ができない場合などに、より多くの集中力が必要になったり一つの文章を読むのに時間がかかったりして勉強の効率が悪くなります。その結果、知的能力は変わらないのに成績が下がったりやる気をなくしたりするということが起こりえます。
それでは具体的に原因と解決方法をご説明します。
- 近視がある
近視があるのにメガネをかけていないと、例えば教室の一番後ろの席に座ったときに黒板の字がよく見えないという事態が起こります。目をうすめれば見やすくなることもありますが、黒板の字を読むのに時間がかかりその結果内容を理解するのが追い付かなくなることがあります。これは眼鏡をかけることで解決します。
- 遠視がある
遠視が強いお子さんは弱視にもなりえますので、近視よりも大変な状態であるとまずはご理解ください。近視の場合は1m以内のどこかにピントが合う場所があるので読書やお絵描き、書字に支障をきたしにくいですが、遠視の場合は近くにも遠くにもどこにもピントが合う場所がありません。その結果落ち着かない子だと思われたり、読書などの近業作業にかなりの調節力を要するため集中力が続かない、勉強すると頭痛がするなどの訴えが出ることがあります。これも眼鏡をかけることで解決します。
- 斜視がある
斜視の場合も弱視になりえるので幼少期からの治療が必要です。ただし弱視にならない程度の軽微な斜視の場合でも両目でものを見たときにきちんと見える範囲が狭いことがあります。きちんと見える範囲以外は二つにダブって見えるので、黒板の字をノートに書き写すのに何度も黒板とノートの間で視線を動かす必要があり時間と集中力が人よりも必要になってしまいます。これも眼鏡(斜視用の特別な眼鏡)をかけること、または手術で解決に近づきます。
- スムーズな眼球運動ができない
動くものを追いかけて視線をゆっくり動かしたり(滑動性追従眼球運動)、見たいものに視線をサッと動かしたり(衝動性眼球運動)する力は物を読む、書くということにおいてとても大切です。昨今様々な商業ベースのお話がありますが、これは大脳の機能の問題なので後から改善していくことはなかなか難しいです。しかし、特に7歳までの幼少期に体を使った運動は眼球運動の発達を促すと言われています。外遊びでの粗大運動(走る、ジャンプ、鉄棒、ボール遊びや縄跳び、平均台など)を意識的にしていただくことはとても大切です。幼少期は眼球運動のためにも、また斜視や近視の予防のためにもゲームやタブレットなどのデジタルデバイスは制限して体を動かしましょう!
記事監修:河口内科眼科クリニック副院長/眼科専門医 河口奈々恵 →医師紹介
〇江東区清澄白河駅から徒歩3分の河口内科眼科クリニックでは、健診、内科検診、内視鏡、眼科検診のご予約を随時受け付けています。生活習慣病、胃腸の病気、また鎮静剤使用で苦痛のない胃カメラ・大腸カメラの同日検査、また当日ポリープ切除が可能です。眼鏡処方、コンタクト、その他白内障や緑内障、糖尿病などの一般眼科はもちろん、小児眼科、低濃度アトロピン点眼による近視抑制治療も行っております。