アデノウイルス結膜炎について
一般的に「はやり目」や「プール熱」と言われる結膜炎は、アデノウイルスの接触感染により起こります。アデノウイルスは感染力が強くヒトからヒトへの感染が容易に広がりやすいため感染予防策の実施がとても大切です。
共通している症状は目の充血、まぶたの腫れ、メヤニ、涙、異物感や痛みです。両方とも学校感染症に指定されていますので、診断された場合に学校に届け出ることで出席停止となります。このような症状が出たらなるべく早く眼科を受診し検査を受けましょう。アデノウイルスに対する抗ウイルス薬はありませんが、各症状に合わせて点眼薬を処方します。
はやり目 (流行性角結膜炎)
アデノウイルス8,19,37,53,54,56型が主な原因ウイルスです。子どもから大人までかかりやすく、特に夏に流行が見られやすいですが一年中見られます。潜伏期間は7~14日と長めで、上に述べた症状以外の眼外症状は認めませんが、結膜炎症状は重度になります(小さいお子さんでは発熱や下痢などの全身症状を伴う場合があります)。結膜炎発症から7~10日して角膜に白い混濁を生じることがあり、重度の場合はかすみ目や視力低下を残します。その抑制のためにステロイド点眼薬を使用します。治癒するまでに2週間程度かかりますが、第3種学校感染症に指定されているため出席停止となり、登園・登校には医師の許可が必要となります。
プール熱 (咽頭結膜熱)
アデノウイルス3,4,7,11,14型が主な原因ウイルスです。お子さんに多く、潜伏期間は5~7日です。発熱から発症し、その後結膜炎、咽頭炎、頭痛、腹痛、下痢などを認め、これらの症状が1週間程度続きます。プール熱は第2種学校感染症に指定されているため、主要症状消退後2日を経過するか、学校医またはその他の医師から感染のおそれがないと認められるまで出席停止となります。症状は1週間程度でよくなりますが、数週間は便の中にウイルスが排出されるため結膜炎が治ってもしばらくプールの許可は出せません。
気を付けること
いずれもうつりやすい感染症ですので、ご家庭内でのタオルの共有は避ける、罹患している方は最後にお風呂に入る、また顔周りを触った後は必ず手を洗う、これらのことを気を付けて家庭内感染を防いでくださいね。
記事監修:河口内科眼科クリニック副院長/眼科専門医 河口奈々恵 →医師紹介
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