前視野緑内障について
緑内障は進行性の病気であり治癒させることのできない病気です。
そのため、より早期に発見しなるべく早く治療を開始することで、より永く広く視野を保ち、最後までご自身の目で見る生活を続けてもらうことが治療の目標になります。
OCTによる緑内障の早期発見
近年検査機器の精度向上や感度の進歩により、以前よりも早期に緑内障が発見できるようになっています。中でも当院も採用している最新のOCT(三次元画像解析検査機器)では眼底の断面図の撮影により緑内障性の視神経や網膜の変化を鋭敏にキャッチし、いわゆる前視野緑内障という状態を発見できるようになりました。
当院ではニデック社のRetina Scan Duo2 RS-330というOCTと眼底カメラが同時搭載された最新機器を用いています。
前視野緑内障(PPG)とは?
前視野緑内障とは、日本緑内障学会による緑内障診療ガイドライン(第4版)にて次のように定義されています。
前視野緑内障(preperimetric glaucoma : PPG):眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態
つまり、眼底検査やOCTを用いた眼底観察では異常を認めながらも、視野検査では異常を認めない状態、ということです。
この状態を認めたら将来的に視野検査でも異常が出てくることが予想されますので、原則としては定期的に検査(眼底検査、OCT検査、視野検査)を行うことで慎重に経過観察をします。検査結果の悪化を認め、視野検査で異常を認めたらなるべく早く緑内障の治療を開始するためです。
しかし視野検査に異常が出ていなくても治療を開始することがあります。例えば高眼圧、強度近視、緑内障のご家族がいるなど、個々の状況を見てハイリスクと思える方には早めの治療開始をご提案させていただきます。
緑内障は早期発見が大切!
くりかえしますが、緑内障は進行性で治癒や改善のない病気です。
しかし、点眼治療で緑内障の進行を遅らせることはできます。
一度でも検診で引っかかったり、「緑内障のけがある」と言われたり、高度近視やご家族に緑内障の方がいたりなど、心配のある方は眼科での定期的な検査を受けてください。
また、緑内障は末期になるまで自覚症状が出ないので、これらのような心配事項がなくても緑内障チェックを受けることをおすすめします。
河口内科眼科クリニックでは緑内障の早期発見に力をいれています。
「若いから大丈夫」「見えているから大丈夫」と思い込まずに、まずはお気軽に検査を受けられることをお勧めします。
記事監修:河口内科眼科クリニック副院長/眼科専門医 河口奈々恵 →医師紹介
〇江東区清澄白河駅から徒歩3分の河口内科眼科クリニックでは、健診、内科検診、内視鏡、眼科検診のご予約を随時受け付けています。生活習慣病、胃腸の病気、また鎮静剤使用で苦痛のない胃カメラ・大腸カメラの同日検査、また当日ポリープ切除が可能です。眼鏡処方、コンタクト、その他白内障や緑内障、糖尿病などの一般眼科はもちろん、小児眼科、低濃度アトロピン点眼による近視抑制治療も行っております。